【最北の無人駅】抜海駅の「いま」を知ってほしい!
抜海の玄関口である、人々の思いが詰まった最北の無人駅・抜海駅のご紹介です。
抜海駅とは
抜海駅は、日本最北の無人駅であると同時に、1924年の開業当初からの駅舎が残る貴重な駅でもあります。
宗谷線の終着・稚内から3駅目、旭川から245km地点に位置するこの駅の周辺には、宗谷地方らしい牧草地の風景が広がります。
また、当駅から2kmほど離れたバッカイ集落からは、対岸にそびえる利尻富士の絶景を眺めることができ、その景色が多くの旅人を引き付けてきました。
かつて800名近くの人口を有した抜海地区からは多くの通勤・通学需要があり、地域の方々から長きにわたり愛されてきました。しかし、近年は地域人口が100人近くにまで減少し、それゆえに利用客の減少に悩まされております。
しかし、近年利尻富士などを目指す従来の観光需要に加え、抜海漁港に冬季に来訪するゴマフアザラシの群れを観察しに当駅をご利用いただく方も増加しつつあります。
いまだに、抜海地区の玄関地区であるということには変わりありません。
それだけでなく、約1世紀この地を見守り続けてきた、歴史あふれるこの駅舎そのものを目指してやってくる旅人も存在します。
一歩駅舎に踏み入れれば、そこにはタイムスリップしたかのような、古き良き鉄道風景が広がります。
抜海駅の現在
地域人口の減少に伴い、最盛期ほどの通勤・通学利用は見られなくなった抜海駅ですが、
現在も数少なくなった地域の子どもたちの足として利用されているほか、先に申し上げたように利尻富士やアザラシ、抜海地区の宿泊施設などを目指した観光利用も多く存在します。
しかし、2019年にJR北海道から沿線自治体の駅存続条件として、地元利用の少ない駅は自治体の費用負担を求めるとの通告がありました。
当駅もその例外ではなく、2021年より稚内市による維持管理に移行しました。巡回・点検等の業務は地元町内会により行われ経費は掛かりませんが、それでも稚内市が年100万円程度の維持費を負担している状況であり、市が支出しないと判断すれば当駅は廃駅となります。
そこで、地元のバッカイ・クトネベツの二つの町内会は、以下の点を理由として当駅の存続を求めております。
- 愛着のある駅である
- 今後、子どもたちが進学し高校生となり、地元利用が増加するものと想定される
- 抜海地区への宿泊施設の利用客も、年150~200名程度利用しており、鉄道を利用した観光需要も一定程度存在する
- 駅そのものを目的とした観光需要が多く存在する
当駅の乗降人数として集計された1.8名という人数は、オフシーズンの特定日に集計されたものであり、上記の観光需要を反映したものではありません。
抜海駅の廃止は、地元住民の利用だけでなく、観光利用も消滅させ、ひいては宗谷本線自体の利用減にもつながることでもあります。
抜海駅利用促進に向けたビジョン
上記の現状を踏まえ、抜海駅の利用を促進すべく、地元町内会では様々な取り組みを行っております。
1.レンタサイクル事業
大自然と絶景が広がり、多くの魅力を持つ抜海地区ですが、JR以外の公共交通が存在せずまた駅が海岸線から1キロほど内陸に存在しているという点で、これまで自動車以外での観光が難しい状態にありました。そこで、自動車を運転できない方々にも気軽に抜海にお越しいただきたく、抜海駅発着のレンタサイクル事業が始まりました。
列車の本数は少ないですが、列車の発着時刻に合わせたプラン設定やリーズナブルな価格設定でが魅力です。JRと自転車を掛け合わせた、抜海駅を拠点とした新しい抜海観光のルートの構築を図ります。
2.イベントの開催
地元食材を利用したバーベキュー等のイベントを検討しております。(新型コロナウイルス感染症もあり、現時点では調整中です。)
過去には、他の支援団体様と合同で、抜海駅にてイベントを開催した実績がございます。
また、抜海駅が2024年6月に100歳の誕生日を迎えるにあたり、カウントダウンイベントで機運を高め、またかつて構内に設置されていた抜海地区の象徴・利尻富士のモニュメントを復活させるプロジェクトが始動しています。
3.駅舎清掃ボランティアの募集
年に1~2回程度、抜海駅駅舎のお掃除ボランティアを募ります。
具体的な日程は、当サイトやマスコミなどを通じてご案内をさせていただく予定です。
築100年を迎えようとする抜海駅は、建物の老朽化に加え、無人駅でもあるため、どうしても各所に汚れ・蜘蛛の巣などが目立ってしまいます。長く建物を保つためには、定期的に掃除を行うことが必要ですが、意外に広い駅舎をきれいにするためにはどうしても人手が必要となります。
抜海駅を、そしてこの駅舎を長く守るために皆様のご協力を賜りたいと考えております。
(安全性確保のためホームや線路での作業は行いません。)
皆様の手で抜海駅を守っていきたいと考えております。
以上のような取り組みが、抜海駅の「いま」を支えています。
皆様のご支援、応援を頂けますと、何よりも抜海駅の力になります。
もしよろしければ、こちらもご覧ください。
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